休眠担保権抹消登記

当事務所には、地域柄もあってか、「何十年も前の抵当権(担保権)が付いているけど、どうすれば良いか分からない」というご相談をいただくことが少なくありません。
明治時代や大正時代に登記されたものです。この抵当権は「休眠担保権」といいます。

もちろん、放置していても、この抵当権の登記は消えません。登記記録から消す場合には担保権抹消登記の申請を行う必要があります。しかし、通常の方法では抹消することが難しく、ある一定の手続きを経て、登記しなければなりません。

休眠担保権を放置した場合のデメリット

①担保が残っているので、不動産を売却することは難しいでしょう。一般的に、担保が付いたまま不動産を買う人はほとんどいません。

②また、不動産を担保に融資を受けることも難しくなります。融資をする金融機関等は、よく分からない権利(担保)がついている不動産を非常に嫌います。

③もし仮に、その担保権が第三者の手に渡って、突然請求が来たら・・・。過去の借金を譲り受け、突然請求する会社が実際に存在します。反論の仕方は色々あると思いますが、気持ちの良いものではありませんし、そうなってしまえば、然るべき対処が必要になってきます。

休眠担保権の抹消方法

休眠担保権を抹消するためには大きく2つの方法があります。

1.担保権者の行方が分かる場合

①担保権者と協力して、担保権抹消登記を申請する方法

2.担保権者等が行方不明の場合

①除権決定を受ける方法
②受取証書を提出する方法
③弁済供託を利用する方法
④裁判をする方法

当事務所に寄せられた休眠担保の相談事例をご紹介いたします。

・事例の概要(その一)

お母様の相続登記の依頼がありました。
当事務所で登記簿を調べたところ、以下のことが分かりました。

①一部、曾祖父から登記名義が変わっていない不動産が残っていた。
②その不動産に明治40年代に付けられた担保権(抵当権)が残っていた。債権額(借入額)は45円。

依頼者にお尋ねしても「全く知らない」とのお返事でした。
登記簿には、貸した方の住所・お名前も書かれていますが、その方の事も当然ご存じありません。

・解決方法(供託)
このように古い担保権が付いている場合、供託という方法を使って担保を消すことが出来ます。
(原則は、担保権者の相続人全員を探し出して、その相続人全員が担保権抹消の同意と署名・押印をもらって、担保を消さなければなりません!)

供託とは、すごく簡単に言うと、債権額を支払って(供託して)、その証明書を使って担保を消す方法です。今回のケースで、供託した金額は874円でした。元々の債権額45円に利息がついてこの金額になります。このお金を支払えば、何処の誰かもわからない相続人達から署名・押印をもらわずに担保を消すことができます。

今回も、無事に供託をして、担保を消すことができました。
なお、休眠担保の供託手続きは、我々司法書士にとっても非常に複雑な手続きの一つです。

・事例の概要(その二)

お父様の相続の依頼がありました。
当事務所で登記簿を調べたところ、以下のことが分かりました。

①お祖父様の代から相続登記がされていないこと

②昭和40年代に付けられた担保権(根抵当権)が残っていたこと。
債権額は200万円。債権者は地元の会社。

③債権者である会社は、昭和40年代に潰れてしまっていたこと
依頼者にお尋ねしたところ「会社の事は全然知らない」とのこと。

・解決方法(裁判)
この場合も、担保権者である会社が残っていれば、その会社に担保権抹消の手続きに協力してもらえれば、担保を消すことが出来ます。
しかし、会社がありません。また、上記のように、供託しようにも金額が200万円と高額です。ですので、供託をするのも現実的ではありません。

この場合、担保権抹消の裁判を起こすことで担保を消すことが出来ます。
ここで疑問が沸きます。会社が潰れている場合、誰を相手に裁判をするんでしょう?こういった際には、相手会社の特別代理人という人を裁判所に選んでもらって裁判をしなければなりません。

裁判と聞くと、尻込みしてしまいそうですが、そうでもありません。
そもそも、今回のケースでは争う事実が何もないことが多いです。

したがって、この場合、裁判は粛々と進み、担保を消せる見込みが高いです(もちろん事案によりますので断言は出来ません)。

今回も、裁判をし、無事に“勝ち判決”をもらうことが出来ました。
その結果、約50年越しで、担保権(根抵当権)を消すことが出来ました。

休眠担保権抹消のケースの費用

司法書士報酬
・弁済供託による休眠担保権抹消のケース
報酬:6万円(税抜)
※上記には抵当権抹消報酬、供託申請報酬などの実費以外すべての費用を含みます。

・それ以外の方法による休眠担保権抹消のケース
着手金:5万円(税抜)
完了報酬:15万円~(税抜) ケースによって異なるため、別途お見積もりをさせていただきます。

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