相談解決事例

Case

遺言執行者に指定されましたが、忙しくて執行することができません。

事例

先日、伯母が亡くなりました。

伯母は、公正証書遺言を作成しており、全ての遺産を姪である私と妹に遺す内容になっていました。また、遺言執行者として、私が指定されていました。伯母の遺志を尊重して、遺言を執行していきたいのですが、仕事が忙しいため、一切執行の手続きをすすめることができていません。そういった手続きをお願いすることは可能でしょうか。

結果

遺言執行者である姪の方から、委任をいただき、不動産の名義変更や預貯金の解約、有価証券の売却手続きを行いました。

コメント

被相続人である伯母様は生涯独身で、自分の妹の子どもである姪の方(依頼者)とその妹様を実の子どものように可愛がられたそうで、ずっと付き合いがあったそうです。

また、依頼者は、伯母様より公正証書遺言を作成していること及び保管場所は聞いていたそうですが、内容までは知らなかったそうです。

伯母様がお亡くなりになられた後、公正証書遺言を見てみたところ、以下の内容が記載されてました。

 

・全ての財産を、依頼者及び依頼者の妹に、2分の1ずつ相続させる。

・遺言執行者として、依頼者を指定する。

 

依頼者としては、伯母の遺志を実現すべく、遺言執行者として、遺言を執行していこうとされたそうですが、仕事が忙しく、何も手がつけられていない状態のままだったそうです。

このままの状態を放置すると、何かまずい状態になるのではないかと心配になり、ご相談に来られました。

 

2019年7月1日の民法改正前までは、遺言執行者は、原則として、やむを得ない事由がない限り、第三者に執行業務を委任することはできませんでした。

しかし、民法改正により、やむを得ない事由がなくとも、第三者に対して、執行業務を委任することができるようになりました。

今回は、この規定に従って、業務を進めていくことになりました。

 

相続関係を調査していくと、相続人は、依頼者とその妹様以外に、4名いらっしゃいました。

その4名は、全員被相続人の甥姪にあたる方々でした。

被相続人・依頼者及びその妹様は、4名の相続人とは、全く面識がないとのことでした。

しかし、遺言執行を進めていく以上、4名の相続人を含む相続人全員に対して、執行通知、財産目録の交付、終了通知をする必要があるため、依頼者から通知等をしていただきました。

遺産として、不動産、預貯金、有価証券がありましたので、それぞれ不動産の名義変更手続き、預貯金の解約手続き、有価証券の売却手続きを行い、依頼者と妹様に財産の引継ぎを行いました。

 

その後、依頼者である遺言執行者から、執行の終了通知を出していただき、無事手続きが完了しました。

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