相談解決事例

Case

父の不動産について生前対策の相談をしたい

事例

「私は、約30年前に、父が購入した実家の隣の土地に、家を建てました。

私には兄と年の離れた妹がおり、兄は父と同居をしており、妹は遠方に嫁いでいます。

現在、父は足腰が弱ってきて、兄と私で介護をしている状況です。

父は、「実家は兄に、私の家の敷地は私に遺してあげる。妹は、マンションを買ってあげているので残す必要はないだろう。」と言ってくれています。

しかし、母の相続手続きの際に、妹と関係が悪くなってしまったため、今から対策をとっていきたいと思います。何かいい方法はありますか?」

結果

対策として「遺言」と「生前贈与」のご提案をし、「生前贈与」による名義変更を行いました。

コメント

「生前対策」は、次の3つの対策が主に考えられます。

 

①相続税節税対策

②相続税納税対策

③遺産分割対策

 

①の相続税節税対策は、現在の財産や財産価値を減らすことにより、将来発生する相続税を減らす目的で行う対策です。

 

②の相続税納税対策は、将来発生する相続税を納める資金を準備しておく目的で行う対策です。

 

③の遺産分割対策は、将来相続が発生したときに、相続人間での争いを回避する目的で行う対策です。

 

上記3つの対策について、お客様から相談を受けることが多いのが、①の相続税節税対策です。

やはり、皆さんの関心ごとは税金であることが伺えます。

 

また、生前対策をして欲しいというご家族さんからは、③の遺産分割対策の相談が多いです。

これは、自分の相続分を確保したいという思いと、相続人間で争いをしたくないという思いから、ご本人さんにしっかりと対策をとって欲しいという希望が伺えます。

 

ここで、「生前対策」において最も重要になるのは、ご本人様の「意思」です。

 

また、梅谷事務所では、3つの生前対策のうち、③の遺産分割対策が最も重要な対策であると考えています。

やはり、最も避けたいのが相続人間の争いです。

相続手続きの中で、親子、兄弟姉妹や親族の間で関係がこじれてしまうと、解決するのは非常に困難です。

最終的に、お金や時間や労力をかけて、遺産分割調停や審判により相続手続きが終了したとしても、以前の関係を修復することはまず不可能です。

 

「平等は公平にあらず」という考え方があります。

お客様には、しっかりとした生前対策を行うことで、円満相続を目指していただければと思います。

 

今回は、ご本人様であるお父様の意向を尊重し、相続税や贈与税の問題も考慮した上で、贈与によるお父様から相談者様へ名義を変更しました。

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