相談解決事例

Case

お義父さんの遺言

事例

「この度、お義父さん(夫の父親)が亡くなりました。

私は、夫の両親と同居していましたが、数年前にお義母さん(夫の母親)が亡くなりました。

夫には他に兄弟がおりましたが、お義父さんは、私達家族のために不動産を残す旨の遺言を作ってくれていました。しかし、遺言作成後、お義父さんよりも先に夫が亡くなりました。遺言書は、「夫が先に亡くなっている場合は私に遺贈する」という内容になっていますが、この遺言を使って、私に不動産の名義を変えていくことは出来ますか。」

結果

無事に名義を相談者様に変えることが出来ました。

コメント

遺言を作成することで、相続人や相続人以外の人に、自分の財産を自由に残すこと出来ます。

 

しかし、肝心の財産を貰う側の人(「受遺者」と言います)が遺言作成者よりも先に亡くなっている場合は、その部分において遺言は無効となってしまいます。(民法第994条第1項)

この場合、無効となった部分の財産は、原則に戻り法定相続人が相続することになります。

自動的に受遺者の相続人が受け継ぐことは出来ません。

 

財産を残そうと考えていた人が亡くなってしまい、そのうえ、せっかく作成した遺言が無効になってしまうことは、二重の意味で残念です。

また、遺言を作成し直そうと思っても、高齢で体力が落ちてしまったり、認知症等により判断力が低下してしまったり、公正証書遺言の場合は費用が必要になったりして、作成のし直しが難しい状況になってしまう可能性があります。

 

そういった先々の状況に合わせて、受遺者が先に亡くなった場合を想定して次順位の受遺者を定めておくことが出来ます。これを「予備的遺言」と言います。

当事務所で遺言を作成する場合、予備的遺言は、同じ遺言の中であらかじめ定めておくことがほとんどです。

 

今回は、予備的遺言があったため、問題なく相談者様が財産を受け継ぐことが出来ました。

これにより、不動産について遺贈による登記を行い、相談者様の名義に変更することが出来ました。

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