相談解決事例

Case

建物の名義を夫婦共有にするべきところ、誤って夫だけの名義にしてしまいました。

事例

夫婦で家を新築したときに、私(妻)の親に費用の一部を援助(贈与)してもらいましたが、家の登記をする時に誤って夫の単独所有で登記してしまいました。

 

その後、税務署から夫の単独所有の名義のままだと、贈与税がかかるので登記を共有名義に直すように指摘を受けました。

結果

「真正な登記名義の回復」による所有権移転登記を行い、ご夫婦の共有名義に直しました。

コメント

一定の要件の下で、住宅取得等資金の贈与について非課税の制度を受けることができます。

 

今回の事例の場合、奥様がご両親から新築費用の一部の贈与を受けたので、贈与税の非課税制度を受けるためには、奥様と旦那様の新築費用の負担割合に応じて夫婦共有の所有権の登記を行うべきでした。しかし、新築建物の所有権の登記をする時に、誤って旦那様の単独名義にする登記申請を行ってしまいました。

 

そのため、奥様はご両親から住宅資金のために贈与を受けたとはみなされず、もしくは、旦那様が奥様から贈与を受けたとみなされ、税務署から贈与税がかかる旨の指摘を受けたものと思われます。

 

そこで、不動産の名義を直す必要が生じました。

 

まず、誤って登記された単独名義の所有権を共有名義に直す場合、本来であれば錯誤を原因として所有権更正登記を行います。

 

ただし、今回の事例の場合、新築された時に住宅ローンを組み、新築建物を担保に入れられて担保権(抵当権)の登記がなされていました。

 

この場合、所有権の更正登記を行うには担保権者の承諾が必要になってきます。

 

今回の場合は、担保権者の承諾を得ることが難しく、よって所有権の更正登記を行うことはできませんでした。

 

このように、誤った所有権の登記を目的として担保権の登記が入っており、誤った所有権を正しく直すためには担保権者の承諾が必要になるが、担保権者の承諾が得られない場合に行うのが「真正な登記名義の回復」登記です。

 

誤った所有権の登記の更正、もしくは誤ってされた登記を抹消して正しい登記をやり直すのではなく、誤った所有権からさらに所有権移転をすることにより正しい所有権に合致させる方法です。

 

今回は、この真正な登記名義の回復による所有権移転登記を行い、無事に夫婦共有名義の所有権にすることが出来ました。

 

不動産の名義のことでお困りの点がございましたら、お気軽に梅谷事務所にご相談いただければと思います。

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