相談解決事例

Case

10年前に離婚した夫の借金について

事例

10年前、夫と離婚しました。
長女(現在:中学3年生)は、私が引取りました。
先日、夫の両親から連絡があり、夫が亡くなったとの連絡がありました。
夫の両親の話によると、夫には住宅ローンやその他たくさんの借金があるとのことでした。
友人に相談すると、『このままでは、長女に借金の請求が来るから、早く相続放棄をした方がいい。」と言われました。
その話を聞いた数日後、債権者から、長女及び私宛に照会状が届きました。
相続放棄の手続をしたいのですが、どうしたらよいでしょうか。

結果

家庭裁判所に相続放棄の申述を行い、受理されました。また、債権者3社に対して、相続放棄申述受理証明書を送付し、相続放棄した旨を通知しました。

コメント

亡夫の両親の話によると、亡夫は、数年前から体調を崩し、入退院を繰り返していたそうです。
また、団信(団体信用生命保険)についても、支払いができていなかったため、失効していました。
そのため、住宅ローンは残ったままになり、金融機関から照会状が届きました。
金融機関からの照会状には、以下の内容が記載されていました。
・亡夫が亡くなったこと
・亡夫には残債務が数千万円残っていること
・長女が相続放棄するのであれば、放棄した証明書を提出してほしい

この記載をみて、依頼者の母は、長女に数千万円の借金の請求が及ぶことを実感し、相続放棄の手続をすすめることを決意したそうです。

今回、相続放棄の申述人(裁判所に相続放棄の手続きをしたいと申し述べる人)は、未成年である長女となるため、親権者である依頼者の母が法定代理人として相続放棄の手続きを行いました。

相続放棄をすることができる期間は、『相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内にしなければならない。』と、民法第915条で定められています。

また、相続放棄の書類を提出(申述)する場所も、『被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所』と定められております。

今回のケースでは、亡夫の住所地が、兵庫県外在住の方だったため、申述書類は、郵送での提出となりました。

ちなみに、申述に必要な費用としましては、以下のものが必要となります。
・収入印紙800円分(申述人1人につき)
・連絡用の郵便切手(今回のケースでは、金470円)

相続放棄をする場合は、原則、被相続人の遺産(プラスの財産、マイナスの財産どちらも含む)を処分してはいけません。処分してしまうと、相続放棄をすることができなくなりますので、ご注意ください。また、3ヶ月という期限もありますので、被相続人に債務がある場合や債務がある可能性が高い場合は、被相続人の債務の支払いや預貯金の解約などをせず、専門家にご相談されることをおすすめします。

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