相談解決事例

Case

自宅の登記簿の氏名が間違って記載されていました。このままにしておいても問題ないでしょうか?

事例

自宅の登記簿を確認したところ、ご自身の氏名の漢字が間違って記載されていることに気付かれた相談者様より、「このままにしておいても問題ないでしょうか」とのお問い合わせをいただきました。

 

結果

確認したところ、相談者様の氏名の一文字において、読み方は同じでも意味の異なる別の漢字が登記簿に記載されている状態でした。

たとえば「高橋」と「髙橋」のように字体の違いであれば、登記実務上は同じと扱われることがありますが、今回のケースでは完全に別の漢字であったため、修正が必要と判断しました。

 

調査の結果、原因は古い戸籍の誤記にあり、戸籍には「誤記につき平成○年○月○日訂正」との記載が確認できました。このため、訂正済みの戸籍を添付書類として用い、更正登記を行うことで、登記簿上の氏名を正しい漢字に修正することができました。

 

コメント

登記簿に記載された氏名や住所が、実際の情報と異なっている場合には、「更正登記」または「変更登記」の手続きを検討する必要があります。

 

今回のように、登記簿に記載された内容が当初から誤っていた場合には、「更正登記」によって修正することが可能です。更正登記は、誤字・脱字、変換ミスなど、登記官や申請者による過誤や記載ミスを是正するための登記で、正しい情報を証明する公的書類(戸籍や住民票など)を添付して申請します。

 

一方で「変更登記」は、たとえば結婚や引っ越しなどにより、後から実体が変化した場合に行う登記です。これはあくまで現状に合わせて登記簿の内容を更新する手続きで、更正登記とは区別されます。

 

更正登記は不動産登記の中ではややマイナーな部類ですが、登記簿に誤りがあると、相続や売買などの際にトラブルになることがあります。登記簿上の氏名や住所が正確でないと、登記申請が受理されないことや、名義人確認がスムーズにできないリスクもあります。

 

登記簿の内容に少しでも違和感がある場合は、「昔からのままで大丈夫」と放置せず、一度内容を確認し、必要であれば更正登記または変更登記を行うことをおすすめします。

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