相談解決事例

Case

役員変更登記をお願いしたいのですが。

事例

先日、金融機関に融資の相談をしにいったところ、会社の登記簿を見せてほしいと言われました。

登記簿謄本をお渡したところ、担当の方から、

「役員変更登記が10年以上できてないです。このままでは融資の審査に回すことは出来ません。」と言われました。

そこで、役員変更登記をきちんとしておきたいのですが。

結果

定款記載の任期等を確認し、役員変更登記を行いました。

コメント

登記簿を確認したところ、ご依頼いただいた法人様は、元々有限会社(以下、特例有限会社)として平成17年に設立し、設立から5年経った平成22年に、商号変更により株式会社へ移行変更されてました(商号変更による設立)。

特例有限会社の場合、役員の任期は、定款で特に定めていない限り、任期に制限はありません(整備法18条)。しかし、通常の株式会社に移行した場合、会社法の規定(332条又は会社法336条)が適用されることになります。

今回の場合、株式会社の定款に任期の規定(任期10年)があったため、それに従い、有限会社設立の時から10年経過した平成27年に役員変更登記をしておくべきでした。

しかし、ご依頼いただいた法人様は、特例有限会社の時と同様、株式会社移行後も役員の任期に制限がないと誤解されていたため、登記がされないまま、現在に至ったそうです。

そこで、定款の任期規定に従い、平成27年に役員全員が重任したという役員変更登記を行い、無事登記が完了しました。

 

また、法人登記の件で、注意しなければならないことは過料の件です。

会社法上、会社の登記事項に変更があった場合、2週間以内に登記の申請をしなければならないと定められています。

また、この2週間という期間をこえて登記申請をすると、会社の代表者に対して100万円以下の過料(行政罰であって、刑罰ではありません。よって「前科」にはなりません。) 決定を受ける可能性が出てきます。ただし、2週間経過後に登記申請を行ったとしても、登記の申請自体は受理されます。

実際のところ、上記期間をこえて登記申請した会社が、全て過料の対象になっているかというと、そうではないようです。

過料についての明確な判断基準が公表されていないため、一定期間経過していた場合でも、過科決定される場合、されない場合があったりと、様々なケースがあるようです。

今回のケースで申し上げますと、平成27年から5年以上経過しての登記申請となるため、過料決定される可能性が高い旨をお伝えし、決定が出た場合、ご対応いただくことになりました。

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