相談解決事例

Case

取引先と資本業務提携することになったのですが…

事例

先日、取引先から資本業務提携したいとの申し出があり、資本業務提携契約を締結しました。

先方より、増資の登記をする必要があるので、司法書士に相談してくださいと言われました。

具体的には、先方から金500万円の出資を受ける予定となっています。

どういった手続きをする必要がありますか?

結果

募集株式の発行登記手続きを行い、『資本金の額』と『発行済株式の総数』を変更しました。

コメント

ご依頼頂いた会社に今回の契約形態をお聞きすると、資本業務提携とのことでした。

資本業務提携とは、業務提携したい会社に対して資金を投入し、業務提携先の会社の株主となり、議決権をもつ手法のことをいいます。

出資することにより、業務だけでなく資本のつながりも出来るため、提携先とより強固な関係性を築くことができます。

 

今回は、募集株式の発行手続きを行う必要があったため、その手続を進めることになりました。

募集株式の発行手続きには、大きく分けて、①株主割当て②第三者割当の2つのパターンがあります。

今回の手続きでは、②のパターンで進めることになりました。

手続きの大まかな流れは、以下のとおりです。

 

【募集株式の発行・第三者割当】※譲渡制限会社の場合

 

株主総会(株主総会の特別決議)

定めるべき主な募集事項

1.募集株式の数

2.募集株式の払込金額又はその算定方法

3.金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額

4.募集株式と引換えにする金銭の払込みまたは現金出資の場合の給付の期日又はその期間

5.株式を新たに発行するときは、増加する資本金及び資本準備金に関する事項

   ↓

株式の申込み※

   ↓    

株式の割当ての決定(株主総会の特別決議・取締役会設置会社の場合は取締役会決議)※

   ↓

出資の履行 (払込期日または払込期間内)

   ↓

登記申請

※但し、総数引受契約による場合、株式の申込み及び株式の割当ての決定は不要となります。

 (もっとも、募集株式が譲渡制限株式の場合、定款に別段の定めがある場合を除き、株主総会の特別決議・取締役会設置会社の場合は取締役会決議が必要となります。)

 

今回は、資本業務提携先の会社とご依頼頂いた会社との間で、株式の総数引受契約を締結し、募集株式の発行手続きを進めることになりました。

総数引受契約とは、募集株式の割当を受けたい人が会社との契約によって株式の総数を引き受ける方式のことです。

総数引受契約を利用する場合、通常の手続きに比べてかなりスピーディーに手続きを終えることが出来ます。そのため、実務上もよくこの方法が利用されています。

今回のケースでも、登記を早く進めてほしいとのご要望がありましたので、総数引受契約を用いて登記手続きを進め、無事、募集株式の発行手続きが完了しました。

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