相談解決事例

Case

公正証書遺言で遺贈された自動車を廃車にしたい

事例

知り合いが亡くなったのですが、生前、自動車を私へ譲るという公正証書遺言を残していました。もっとも、古い自動車だったので、廃車にしたいと考えています。どうしたらいいですか?

結果

解体業者で車を解体した後、ナンバープレートを持って運輸支局へ行き、自動車の移転及び抹消登録を行い、廃車手続きを完了しました。

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譲り受けた自動車を廃車にするためには、移転抹消登録という手続きをする必要があります。

 

移転抹消登録とは、車検証の所有者の名義を新所有者に変えた上で(移転登録)、それと同時に廃車手続き(永久抹消登録)をすることです。

 

そして、遺贈(遺言による贈与)によってもらった自動車を廃車にする場合、もらった人(受贈者)は、自分の住所地を管轄する運輸支局へ行って移転抹消登録の手続きをします。

 

全体の手続きの流れとしては以下のとおりです。

 

解体業者で自動車を解体してもらう

取り外したナンバープレートを持って運輸支局へ行く

申請書、添付書類及びナンバープレートを提出する

 

その際、永久抹消登録の申請書には、解体(スクラップ)した際に割り当てられる「移動報告番号」の記載が必要になります。

 

その他にも、もともとの所有者が亡くなったことがわかる戸籍謄本や、遺贈の事実がわかる公正証書遺言の正本なども添付書類として用意しなければなりません。

 

詳しい必要書類は以下の通りです。

 

①自動車車検証(有効期限が切れていてもOK)

②戸籍謄本(所有者死亡の事実がわかるもの)※原本還付希望の場合はコピーも添付

③公正証書遺言(正本)※原本還付希望の場合はコピーも添付

④受贈者の印鑑証明書(発行後3か月以内)

⑤実印(受贈者が直接行く場合)又は委任状(遺言執行者など第三者が行く場合)

⑥ナンバープレート(管轄が変わる場合は持参し返還する)

⑦申請書(第1号様式、3号の3様式)

⑧手数料納付書(自動車検査登録印紙500円を貼付)

 

本件では、亡くなった方の住所地は姫路の管轄でしたが、受贈者は神戸の管轄にお住まいでした。

 

よって、まずは解体業者で自動車を解体した後、取り外したナンバープレートを持って直接神戸にある兵庫陸運部へ行き、移転及び永久抹消登録の申請書、添付書類及びナンバープレートを提出し、廃車の手続きを全て完了しました。

 

手続きを終えると「永久抹消登録/解体届出手続き完了のお知らせ」をもらえます。

 

ちなみに、移転抹消登録の場合、移転登録で本来必要な車庫証明は不要です。

 

また、廃車を前提としているので、車検が切れていても手続きをすることができます。

 

自動車の名義変更は、売買、贈与、相続など、どういった原因で変更になるのかによって必要書類も変わってきます。

 

事前に陸運支局などで確認した上で手続きを進めて行くのが良いと思われます。

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