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Case

贈与税がかからないように、弟から姉である私に500万円の建物の名義を移したいのですが。

事例

贈与税がかからないように、弟から姉である私に500万円の建物の名義を移したいのですが。

結果

5年間をかけて、建物の持分を1/5ずつ贈与することで、贈与税がかからないように名義を移すことができました。

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贈与(生前贈与)とは、自分の財産を相手方に無償で与えることを言い、民法で決まっている契約の一つです。

この贈与の対象となる財産は、預貯金でも不動産でもかまいません。

 

そして、不動産を贈与した場合、もらった人に不動産の名義を移転する手続きが必要です。

これを「贈与登記」と呼びます。

 

この贈与登記をすることによって、対外的に不動産の所有者の名義が変わったことがわかります。

 

ここで、贈与で気を付けなければならないのは、「贈与税」です。

文字通り、贈与税は贈与について課される税金です。

 

贈与税を支払うのは、贈与を受けた人(受贈者)で、納める税金の金額は、贈与を受けた財産の価値から基礎控除額(110万円)を差し引いた金額に対して、一定の税率を掛けて算出します。

 

税率や計算方法については、国税庁のHPに記載されています。

 

例えば、300万円のお金を贈与した場合

 

300万円(贈与の金額)-110万円(基礎控除額)=190万円(基礎控除後の課税価格)

190万円×10%(一般税率)=19万円(贈与税額)

 

これが最終的に受贈者が納める贈与税の金額になります。

 

以上の例ではお金を例にしましたが、不動産でも同じです。

 

例えば、1,000万円の建物を贈与する場合、以下のように231万円もの贈与税がかかってきます。

 

1,000万円(贈与した建物の評価額)-110万円(基礎控除額)=890万円(基礎控除後の課税価格)

890万円×40%(一般税率)-125万円(控除額)=231万円(贈与税額)

 

ただ、これは一括で建物を贈与した場合についてです。

 

贈与税は、110万円の基礎控除額があるので、この範囲内の贈与であれば、税金がかかりません。

 

そこで、この基礎控除額を生かして、1,000万円の建物を10年間に分けて毎年贈与していくことで、贈与税を払わないようにすることができます。

 

つまり、建物の贈与の場合、建物の名義を一括で変えずに、1/10ずつの所有権(この1/10の部分を「持分」と言います。)を贈与していく方法を取ることができます。

 

そうすることで、1回の贈与税の対象となる建物の金額は、100万円とすることができます。

 

これは、110万円の基礎控除額の範囲内に収まるので、贈与税を納める必要がありません。

 

本来であれば納める必要があった231万円の贈与税が、ゼロになるわけですので、大きなメリットがあります。

 

ただ、これにはもちろんデメリットもあります。

 

それは、時間がかかるということです。

 

単純計算で、建物一つの所有権を移すために、10年という歳月を要することになってしまいます。

 

もちろん、200万円の建物なら2年で終わったりと、建物の評価額によってかかる年月は変わってきますが。

 

今回のお客様の場合、500万円の評価額の建物を5年に渡って贈与するという方法を取りました。

 

これにより、毎年の贈与金額を100万円ずつとすることができ、贈与税の基礎控除額110万円以内で名義を弟さんからお姉さまに移すことができました。

 

5年という時間はかかってしまいましたが、税金を抑えることができました。

 

注意点としては、詳細は省きますが、贈与には例えば以下に挙げるような色んな費用が発生することです。

 

・司法書士の登記報酬

・登記に際しての登録免許税

・不動産取得税

 

また、今回は建物を対象にしましたが、土地の贈与をする場合は、路線価というものを使って土地の価格を算出することにも注意が必要です。

 

さらに、複数回の贈与が一つの契約(「定期贈与」と言います。)とみなされないようにすることが必要です。

せっかく贈与税がかからないように5年に分けて贈与をしても、全てが一つの贈与とみなされてしまうと、全体の金額に対して贈与税がかかってきてしまう可能性があるためです。

そのためにも、毎年贈与契約書を作成するなどの対策が必要です。

 

贈与は将来の相続税対策や争族対策としても効果的ですが、使い方によってはデメリットも大きくなることがありますので、専門家(特に税理士)にしっかり相談して行うようにしてください。

 

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