Case
事例
「私の家は、細い道路にしか接していないため、現在、大きな道路に出やすいようにお隣さんの土地を通らせてもらっています。
お隣さんは遠い親戚にあたり、昔から仲の良い関係でありましたが、この度、高齢で一人暮らしが大変になり、お子さんと同居するために引っ越しをすることになりました。また、不動産の処分も検討をされているそうです。
私としては、これまでお世話になったので気が引けるのですが、たとえ不動産の所有者が変わったとしても、今までどおりに土地を通らせてもらいたいと思っています。
何かいい方法はありますでしょうか。」
結果
お隣さんと話し合い、「通行地役権」の設定登記申請を行いました。
コメント
私道(個人等所有の道路)は、原則、勝手に利用をすることは出来ません。
多くの場合、所有者と利用者の間で、「口約束」から「書面による契約」まで、様々な方法で取り決めをしている場合が多いです。
しかし、これらの契約はあくまで現在の所有者と利用者の間の取り決めであり、所有者が変わってしまうと、主張(対抗)することが出来ません。
このような場合に、たとえ所有者が変わってしまっても利用者の通行が認められるために、通行を目的とした地役権を設定しかつ登記を備えておく必要があります。
この通行を目的とする地役権は、一般的に「通行地役権」と呼ばれ、他人の土地を自分の土地の便益のために、通行することが出来る権利です。
このとき、地役権を設定することで便益を受ける土地を「要役地」といい、要役地のために地役権を設定される土地を「承役地」を言います。
この通行地役権は、当事者間の設定契約によって設定され、登記を備えておけば第三者に対して主張することが出来ます。
また、この地役権は、土地全部だけでなく一部分に対して設定することも可能で、その場合は「地役権図面」を準備して登記をする必要があります。
今回は、相談者とお隣さんとの話し合いの結果、「土地の東側の一部」を「通行の目的」で地役権を設定し、無事に登記を完了させることが出来ました。
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