Case
事例
10年前に夫と協議離婚して財産分与をしたので、不動産の名義変更をしたいです。
結果
財産分与を原因とする所有権移転登記を行い、無事に名義変更が完了しました。
コメント
夫婦が離婚した場合、財産分与の協議を行います。
婚姻中に築いた財産は、たとえ夫だけが働いていたとしても、妻の協力があって得られたと考えられるため、夫婦共有財産となり、離婚の際の財産分与の対象となります。
よって、結婚してから購入した不動産についても、財産分与の対象となります。
そして、例えば婚姻中は夫名義の不動産であったとしても、離婚後に妻が居住するというような場合には、2人の話し合い(協議)によって名義を妻だけにする手続きが必要となります。
このように、名義を夫から妻に変更する場合には、この財産分与の協議が成立している必要があります。
登記の実務上の問題として、離婚日以前に財産分与が成立している場合には、その離婚日を原因として財産分与の登記を行います。
他方で、離婚が成立した後に公正証書などで財産分与の協議が成立している場合には、その協議成立の日を原因として財産分与の登記を行います。
財産分与の登記の際に関連する問題として、元々の所有者となっている方の住所変更登記をしてから財産分与の登記を行う必要が出てくることもあります。
また、離婚してすぐに名義変更をする場合には相手方の協力はすぐに得られそうですが、年数が経過してしまうと協力を取り付けるのに苦労するおそれもあります。
ですので、離婚が成立し、財産分与の協議も成立したのであれば、すみやかにお互いが協力して不動産の名義を変更する手続きを取ることをおすすめします。
場合によっては住宅ローンが残っていることもありますので、あらかじめ金融機関に相談しておく必要もあります。
今回の場合は、10年前に離婚及び財産分与の協議が成立している事案でした。
そして、元夫名義の不動産を元妻名義に変更するという協議内容でしたが、元夫の住所が変更されていましたので、住所変更の登記も必要でした。
そこで、弊所から相手方に連絡を入れ、①住所変更登記をしてから②財産分与による所有権移転登記を行うという手続きの説明をし、書類作成をして相手方から署名・押印をもらい、無事に名義変更まで完了することができました。
離婚をして財産分与が必要な場合、不動産の名義変更についてご依頼をいただいたら、双方とやり取りをして必要な書類作成等を行うことができますので、お早めにご相談ください。
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