Case
事例
現在、父は一人で元気に暮らしています。
父は、『自分の身の回りのことができなくなってきたら、施設に入りたい。その時、認知症になっていたら、代わりに自宅の売却手続きをして欲しい。』と言っています。
友人にその件を話したところ、『お父さんが認知症になってしまったら、不動産の売却はできないよ。』と言われてしまいました。
そこで、父が認知症になった時に備えて、なにか良い方法はないでしょうか。
結果
家族信託の仕組みを利用し、父の財産管理を行うことになりました。
コメント
お父様は、一人娘であるA子さんになるべく負担をかけずに、余生を過ごしたいと考えてらっしゃったようです。
そこで、お父様と娘様に、生前対策として、生前贈与・公正証書遺言作成・家族信託をご提案し、それぞれのメリット・デメリットをご説明し、家族信託の仕組みを利用されることになりました。
家族信託とは、文字通り❝家族を信じて託す❞、自らが所有する不動産や金銭などの財産を、生前から信頼できる家族や親族に託す仕組みのことをいいます。
この仕組みを利用することになって、円滑な財産の管理や処分を行うことができます。
今回のケースでは、お父様が住んでいるご自宅と金融資産の半分を、一人娘であるA子さんに託すことになりました。
実際、家族信託の仕組みを利用する場合、信託契約書を作成する必要があります。
また、信託契約書には、以下の事項を記載していく必要があります。
①財産の管理・処分を任せたいと考えている者(委託者)
②財産の管理・処分を誰に任せたいのか(受託者の設定)
③信託する財産は具体的に何か(不動産・現金・株式など)
④信託する財産から生まれる利益を受け取るのは誰か(受益者の設定)
今回のケースに当てはめますと、以下のとおりとなります。
①お父様
②A子様
③お父様のご自宅(土地、建物)、現金1000万円
④お父様
上記内容等を反映させた信託契約書を作成し、公証役場にて公正証書にしていただきました。
また、信託したい財産の中に不動産が含まれる場合は、登記をする必要があります。
今回のケースでは、ご自宅を信託財産に入れてましたので、信託の登記を行いました。
こうして、お父様の不動産と現金1000万円がA子さんに託されることになりました。
この仕組みを利用することによって、将来、お父様が認知症になり判断能力を喪失したとしても、A子さんがお父様に代わって、不動産の売却をすることができるようになりました。
今回、取り上げました、家族信託という仕組みをより詳しく知りたいという方は、ぜひ弊所の『はりま家族信託相談室』のHPをご覧ください!
https://shintaku-harima.jp/
その他相談解決事例