相談解決事例

Case

公正証書遺言の他に自筆証書遺言が出てきました。

事例

義母(亡き夫の母)が生前に公正証書遺言を作成しておりました。義母の死後、公正証書遺言とは別に封印された自筆証書遺言が出てきました。義母が所有していた不動産の名義を変更できますでしょうか。

結果

自筆証書遺言の検認手続きを家庭裁判所で行った後、公正証書遺言による相続登記を行い無事に不動産の名義変更を完了いたしました。

コメント

ご相談者様の義母(被相続人)は生前、ご相談者様のご子息(被相続人の孫)に不動産を相続させる内容の公正証書による遺言書(公正証書遺言)を作成されていました。また、それとは別に自筆で書かれた遺言書(自筆証書遺言)を作成されていました。

 

自筆証書遺言がある場合は、まず家庭裁判所での検認手続き(相続人に対して遺言書の存在とその内容を知らせ、遺言書の内容を明確にして偽造や変造を防止するための手続き。遺言書が有効か無効かの判断をするものではありません。)が必要となります。

 

そして、遺言書が複数ある場合(前提として遺言書が定められた方式で作成されており有効な場合)、それぞれの遺言書の内容が抵触していなければ(矛盾していなければ)すべての遺言書の内容が有効となります。内容が抵触していた場合は、抵触していた部分については、後に作成された遺言書で前に作成された遺言書を撤回したことになり、後の遺言書の内容が有効となります。ただしこの場合であっても、抵触していない部分については前に作成された遺言書の内容も有効となりますので注意が必要です。

 

今回の場合は、まず封印された自筆証書遺言の検認手続きを行い、作成された日付と内容を確認し、不動産に関して公正証書遺言と自筆証書遺言の内容が抵触しておりましたが、公正証書遺言が自筆証書遺言よりも後に作成されたものであることを確認いたしました。そのため、不動産に関しては公正証書遺言が有効となり、公正証書遺言による不動産の名義変更を行い無事に完了することができました。

 

遺言書が出てきた場合は、まずは専門家にご相談されることをお勧めいたします。

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