相談解決事例

Case

遺言は残していないとのことでしたが・・・

事例

当職が保佐人に就任している方:Aさんが亡くなられました。Aさんの妻:Bさんの保佐人にも当職が就任していました。当職が就任したときにご本人様たち及び周囲の関係者に遺言の有無を確認していましたが、遺言は作っていないとのことでした。しかし、Aさんの死後、自宅の整理をしていた時にAさんが公証役場を利用していた可能性がある書類が見つかりました。

結果

Bさんの保佐人として公証役場でAさんの公正証書遺言の検索を行い、Aさんの公正証書遺言があることが判明しました。

コメント

成年後見人(保佐人、補助人)は成年被後見人(被保佐人、被補助人)が存命中、ご本人様を支援する制度であり、ご本人様が亡くなった場合、管理していた財産を相続人に引き継ぐ必要があります。

 

また、成年後見人(保佐人、補助人)はご本人様が相続人となっている相続手続きについて代理して手続きを行います(保佐人、補助人の場合は代理権が付与されている必要があります)。

 

今回のケースでは、当職がご夫婦の保佐人に就任しており、Aさんの相続発生後、Bさんの保佐人としてBさんが引き継いだAさんの相続財産を管理していました。

 

しかし、Aさんの相続人はBさんの他にもいらっしゃり、それが甥や姪であり、行方が知れない方もおり相続手続きに相当な時間がかかることを覚悟していました。

 

当職がAさんの死後、自宅を整理していた時にAさんが公証役場を利用した可能性がある書類が見つかり、もしやと思い、Bさんの代理人として公証役場でAさんの公正証書遺言を検索したところ、Aさん名義の公正証書遺言が見つかりました(なお、保佐人、補助人が公証役場で遺言を検索するには相続手続きに関する代理権が必要です。)。

 

発見したAさんの公正証書にはAさんの全財産をBさんに相続させるとあり、また、遺言執行者の定めも記載されていました。

 

そこで当職から遺言執行者として記載されていた方に連絡をし、Aさんが亡くなった旨を伝え、Aさんの遺言を執行していただき、無事にAさんの相続手続きを終えることができました。

 

相続手続きの際に遺言が見つからなかったり、被相続人が生前に遺言は無いと言っていた場合でも、万が一のこともありますので、一度、公証役場で被相続人の遺言を検索してみるといいかもしれません。

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