相談解決事例

Case

信託を利用しても小規模宅地等の特例は利用できますか?

事例

母親が高齢になってきており、財産管理が不安になってきています。
母親の希望としては長男である私に財産管理をサポートしてもらいたいとのことで、私としても母親をサポートしていければと考えています。
そこで、母親と私で信託契約の締結を検討しています。
一点気になっているのが、自宅不動産のことです。
自宅不動産に母親と私の姉が同居しているので、母親が亡くなった後、小規模宅地特例を利用できればと考えていますが、信託を利用しても小規模宅地特例の利用は可能でしょうか?

結果

お母様が亡くなり、信託が終了した場合の自宅不動産の帰属権利者を同居されている相談者のお姉様とすることにより、小規模宅地特例を使えるように信託契約書を設計しました。

コメント

高齢になられた親御様の財産管理をご子息様が行うために信託契約を締結することは有効な手段と言えます。
信託を利用すると、ご子息様が親御様の財産管理をサポートすることはもちろん、万が一、親御様が認知症になられた後も、継続して財産管理を行っていくことができます。
また、信託財産に不動産を入れておくことで、売却の必要性が出てきた際に、親御様が認知症になられていても、受託者であるご子息様が不動産の売却を行うことができます。

また、信託を利用した場合でも、不動産の税務的な特例や軽減措置を受けることは可能です。
税務的な特例や軽減措置を受けるためには、それぞれの条件に合わせて信託契約を設計することが必要となります。

今回のケースでは、相談者様のお母様が居住する自宅の土地について、小規模宅地等の特例を利用できるケースでした。そのため、委託者兼受益者であるお母様のご自宅を信託財産とし、お母様と同居されている相談者様のお姉様がご自宅の帰属権利者となるように契約書を設計しました。
小規模宅地等の特例とは、相続の際に、居住用宅地等の場合、最大330平方メートルまでの部分について、評価額が80%減額されるといった特例です(詳しくは国税庁のサイトをご参照ください。

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信託契約は契約を締結して終わりではなく、契約後も続いていく手続きとなっています。
そのため、信託契約を設計する際には、専門家と綿密な打ち合わせの上で作成されることをお勧め致します。

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