相談解決事例

Case

生命保険金を受け取ることは可能でしょうか。

事例

先日、警察より、『独身の弟が自宅で亡くなっているので、すぐに来てほしい。』との連絡がありました。

弟とは、25年近く行き来がない状態でした。

警察の連絡で、はじめて弟が住んでいた場所を知りました。

弟の自宅の中を確認したところ、何冊か通帳がありました。

中身を確認すると、-10万円と記載されてました。

他に借金がないか確認してみましたが、借入状況等は全くわからない状態でした。

弟の同僚と会う機会があったので、生活状況を聞いたところ、「もしかしたら、借金があるかもしれない。」と教えてくれました。

知人に現在の状況を話すと、『あなたは、姉として相続人に該当するため、相続放棄をしたほうがいいのでは。』と言われました。

そして、相続放棄を考えていた矢先、保険会社から連絡があり、弟が私を受取人とする生命保険をかけていたことが判明しました。

この場合、生命保険金を受け取っても相続放棄をすることは可能でしょうか?

結果

家庭裁判所に相続放棄の申述を行い、無事受理されました。

また、生命保険の手続きもすすめ、受領しました。

コメント

依頼者の方は、突然警察から弟様の訃報の連絡を受け、かなり驚かれたそうです。

また、弟様が依頼者の方を受取人とする生命保険を契約されていたことにも大変驚かれてました。

今回、弟様にいくら財産や借金があるのかわかりませんでしたが、依頼者の方の強いご意向で相続放棄をすることになりました。

また、生命保険金については、保険契約の内容を確認するため、依頼者の方に問い合わせをしていただきました。今回の保険契約は以下のような内容となっておりました。

 

・契約者(保険料の支払いをしている者)・・・弟様

・被保険者(保険がかけられている対象者)・・・弟様

・保険金受取人(死亡保険金を受取る者)・・・依頼者である姉

 

この内容の場合、死亡保険金は相続財産ではなく依頼者である姉の固有財産となるため、保険金を受け取ったとしても相続放棄をすることは可能です。

ただし、『保険金受取人』が被相続人の場合、死亡保険金が法定相続人に支払われてることになり、相続財産に該当することなります。そのため、保険金を受け取った場合、相続放棄をすることができませんので、十分ご注意ください。

また、入院・医療等に関する保険金についても、契約した本人(被相続人)が請求しないうちに亡くなった場合、その保険金は相続財産に該当しますので、相続放棄した場合は、保険金を受領することはできませんので、こちらについても十分ご注意ください。

 

このように、保険契約については様々な形態があり、契約者・被保険者・保険金受取人が、それぞれどのように指定されているかによって、相続放棄に影響がでてきますので、慎重な判断が求められます。ですので、こういった場合は、専門家に相談されることをおすすめいたします。

 

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