相談解決事例

Case

兄弟姉妹はいるが「お世話になった方へ財産を残したい」。どうすれば良いでしょうか?

事例

配偶者や子どもがおらず、両親もすでに他界しているため、将来自分が亡くなった際には兄弟姉妹が相続人になる状況でした。

しかし、長年にわたり身の回りの世話や通院の付き添いなどをしてくれている親戚がおり、「お世話になった方へ財産を残したい」と考え、遺言書作成についてご相談いただきました。

結果

財産や家族関係を整理したうえで公正証書遺言を作成し、お世話になっている親戚へ財産を遺贈する内容を明確に定めました。

将来の相続手続きも見据えた内容としたことで、ご本人の希望を実現できる準備を整えることができました。

コメント

「子どもがいないので、財産は当然お世話になっている親戚へ渡ると思っていた」という方は少なくありません。しかし、法律上は必ずしもそうなるわけではありません。

 

配偶者や子ども、両親がいない場合、相続人は兄弟姉妹やその代襲相続人となります。そのため、たとえ長年にわたり身の回りの世話をしてくれた親戚がいても、その方が法定相続人でなければ、遺言書がない限り財産を受け取れない可能性があります。

 

今回のご相談者様も、普段から親身になって支えてくれる親戚へ感謝の気持ちを形にしたいと考えておられました。しかし、そのままでは兄弟姉妹が相続人となり、ご本人の希望どおりに財産を承継させることが難しい状況でした。

 

そこで、まず家族関係や財産の内容を確認し、どのような方法であれば希望を実現できるかを整理しました。必ずしも遺言だけが選択肢ではないからです。

ただ、整理検討した結果、やはり遺言によって財産を遺贈する方法が最も適していることが分かり、公正証書遺言の作成を進めることになりました。

 

遺言書を作成する際には、「誰に」「どの財産を」「どのような割合で」承継させるのかを明確に記載することが重要です。内容が曖昧な場合、残された方々の間で解釈の違いが生じ、かえってトラブルの原因となることがあります。そのため、ご本人の意思を正確に反映し、将来の手続きが円滑に進むよう内容を慎重に検討しました。

 

また、兄弟姉妹には遺留分がないため、遺言によって財産を特定の方へ承継させることが比較的実現しやすいケースでもあります。ただし、家族関係や財産状況によって注意すべき点は異なるため、個別の事情を踏まえた検討が欠かせません。

 

遺言は「財産を誰に渡すか」を決めるだけでなく、ご本人の感謝の気持ちや人生の想いを形にする手段でもあります。特に、お子さまがおられない方や、ご親族との関係が一般的な相続の形とは異なる方にとっては、遺言書の有無が将来の結果を大きく左右することがあります。

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