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Case

財産が多くても親族が保佐人になれる?保佐監督人が選任された事例

事例

「母に認知症の症状が見られるようになりました。日常生活はある程度自分で行うことができますが、預貯金の管理や重要な契約などを一人で行うことには不安がある状態です。

そこで、長男の私が母を支援するため、成年後見制度の利用を考えています。できれば家族である私自身が、母の財産管理や各種手続を行いたいと思っています。

親族である私が後見人等になることはできるのでしょうか?

また、母には比較的多額の預貯金などの財産があります。財産が多い場合には、司法書士や弁護士などの専門職が関与することがあると聞きましたが、親族だけで財産管理をすることはできないのでしょうか?」

結果

管轄の家庭裁判所に保佐開始の申立てを行い、保佐開始の審判がされました。

また、長男様が保佐人に、専門職である弊所が保佐監督人に選任されました。

コメント

■『後見or保佐or補助?』と候補者

成年後見制度には、本人の判断能力の程度に応じて、「後見」「保佐」「補助」という類型があります。

今回のケースでは、主治医が作成した診断書において、お母様の判断能力について「保佐相当」と診断なされました。

その診断内容やお母様の日常生活の状況などを踏まえ、保佐開始の申立てを行いました。

 

なお、医師の診断書に「保佐相当」と記載されているからといって、必ず保佐開始の審判がされるわけではありません。最終的にどの類型の審判をするかは、家庭裁判所が本人の判断能力や生活状況などを踏まえて判断します。

 

また、家庭裁判所に「自分が保佐人になりたい」と候補者として申請することはできますが、最終的にだれを保佐人に選ぶかを決めるのも家庭裁判所です。

親族が候補者になっている場合でも、本人の財産状況、親族関係、予定されている法律行為の内容、候補者の適性などによっては、親族ではなく、弁護士や司法書士などの専門職が後見人・保佐人等として選任されることがあります。

 

■監督人

今回のケースのようにご本人様が多額の流動資産を保有している場合、後見監督人や保佐監督人などが選任されることがあります。

監督人とは、後見人や保佐人等が適切に業務を行っているかを確認し、必要に応じて指導や助言を行う役割を担う人です。

 

今回のケースでは、お母様が比較的多額の流動資産を保有していたため、家庭裁判所から、長男様を保佐人に選任するのであれば、専門職の保佐監督人を併せて選任する方針が示されました。

 

■後見制度支援信託~『後見』の場合~

成年後見の場合には、多額の預貯金などを安全に管理する方法として、「後見制度支援信託」や「後見制度支援預貯金」を利用することがあります。

 

後見制度支援信託等を利用する場合には、本人の財産のうち、日常生活に必要な一定額を親族後見人が管理し、通常使用しない多額の金銭については信託銀行等に預け、使用する際には家庭裁判所の許可が必要となります。

 

その導入時に、司法書士や弁護士などの専門職後見人が一時的に関与し、本人の財産状況や生活状況を確認したうえで手続を進めるのが通常です。

その場合、支援信託等の手続が完了し、その後も専門職が継続して関与する必要がないと家庭裁判所が判断した場合には、専門職後見人が辞任し、その後は親族後見人が単独で後見業務を行います。

 

■後見制度支援信託~『保佐・補助』の場合~

一方、後見制度支援信託等は、保佐や補助では利用することができません。

そのため、今回のように、保佐のケースで本人が多額の財産を保有している場合には、後見制度支援信託等を利用する方法ではなく、専門職の保佐監督人を選任して財産管理を監督する方法が採られることがあります。

 

今回は、長男様に保佐人としてお母様を支援していただきながら、専門職の保佐監督人が財産管理等について確認・助言を行う体制となりました。

 

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